”東広島LOVEな人”に聞いてみた
移住・創業インタビュー
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月曜日~金曜日(12月29日~1月3日、祝日は除く)
8時30分~17時15分
”東広島LOVEな人”に聞いてみた
移住・創業インタビュー
◎東広島市安芸津町在住 53歳 ◎居住歴:1年5ヶ月 ◎出身地:埼玉県加須市
※2026年8月取材

長く営業職に従事し、その後IT業界へ転職して取締役を務めてきた福島さん。営業社員時代に暮らしたことがある広島の地へ「戻ってきたい」という思いがあり、移住マッチングサイト「SMOUT」をきっかけに穏やかな時間の流れを感じる安芸津町に心惹かれ、一家で移り住むことに決めた。現在は、自らが立ち上げた「地域商社」の経営と、東広島市のデジタル社会推進官としての役割の二足の草鞋をはき日々活躍中。移住生活で見つけた次の目標に向かい、三足目の草鞋をはこうとしている。
営業社員として奮闘していた若い頃、中四国のエリアを担当していました。当時は単身で広島市内に住んでいたのですが、食べ物もおいしいし、昔からカープファンだったこともあり広島という土地と“水が合った”んです。自分の故郷ではないのに、「いつか広島に戻ってきたい」という強い思いを持ちました。その後はIT業界へ転職し、取締役に就任。経営全般に携わりつつ、大手企業のシステム開発プロジェクトへの参画や新規事業開発、組織の効率化など、幅広い分野で業務を遂行してきました。忙しいながらもやりがいのある日々だったのですが、コロナ禍で仕事スタイルが一変。どこにいても仕事ができるようになり、「だったら憧れていた広島へ移住して、自分で起業してみたらどうだろう」と考えるようになったのです。
当時私は埼玉県で暮らしていたため、漠然と「海のそばがいい」と思っていたところ、東京の移住フェアを通じて広島県内のまちを訪れて、移住のイメージを具体化していきました。そんな中、移住マッチングサイト「SMOUT」でつながることができた、安芸津町のまちおこしに取り組んでいる新川隼人さんのすすめもあり、実際に訪れることにしました。JRで向かい、安芸津駅に降り立った途端、時間の流れがゆっくりに変わった感覚を覚えました。町の雰囲気に惹かれ、ここへ移り住むことに決めたのです。


移住前に取り組んで良かったと思っているのは、東広島市が行っている共創型起業プログラム「円陣」への参加。地域の課題をビジネスの力で解決しようとする人たちを支援するこのプログラムは、東広島市がどんな場所で、どのような課題があるのか、事前に学ぶことができました。何より、ここで多くの人たちとつながりを持てたことは、その後の仕事や暮らしに大きな好影響をもたらしてくれました。リモートで「円陣」に参加しつつ、2025年3月に安芸津町へ移住。かつての営業経験を生かし、優れた商材を見つけて販路の開拓をしたり、コンサルティングやブランド構築を手がける地域商社「アキツムグ」をスタートしました。
その一方で、東広島市が「デジタル社会推進官」を募集していることを偶然知ったのです。東広島市では以前からDXに力を入れており、今回新たにデジタルネットワーク形成推進プロジェクトが始動。デジタル技術を活用した地域課題の解決や、デジタル人材の掘り起こしと育成、新たな価値の創出を推進しています。IT業界にいた私は、これまでの知見が生かせるのではと考え応募したところ、採用され、地域商社の経営とデジタル社会推進官としての両方で頑張っていくことになりました。

地域商社の活動は、2026年4月に実店舗「中瀬戸」をオープン。地域商材について調べていたところ、大崎上島から竹原、安芸津、安浦、川尻、蒲刈島、豊島、大崎下島にかけての海域をかつて「八木灘(やぎなだ)」と呼んでいたことを知りました。そこで、このエリアに特化した商材を集め、販路を開拓していくことに。「中瀬戸」では、八木灘地域で暮らす人たちが手をかけて作ってきた100~120アイテムほどそろえています。かつて商店街のあった角地で、築100年超の古民家を改装。2階はレンタルスペースとして活用し、作家の作品展示やイベント、教室の開催もしています。このまちに根付き、歴史を紡いできたこの建物を、ヒトやモノをつなぐ場所としてしっかり受け継いでいきたいですし、こういった店舗が安芸津駅前に広がったらいいと考えています。
また、デジタル社会推進官としての活動は、地元で活躍していたり都会へ流出したりしているデジタル人材や東広島の学生、企業、地域住民とをつなぎ、地域の課題解決へ向けて歩みを進める中長期プロジェクトが主。そして私にとっては、プロジェクトの遂行とともに、地域で暮らす人の声を直に聞ける貴重な場にもなっています。デジタル社会推進官の役割と地域商社の経営の相乗効果を実感しています。これらに加え、現在は安芸津町の活性化を担う「あきつとあしたに」のメンバーとしても活動中。今後は安芸津町のにぎわいづくりや移住支援にも力を入れていきたいと考えています。
埼玉県から移り住み、パソコンに向かう慌ただしい日々から、美しい景色やおいしいもの、つながりのある人たちの笑顔がそばにある暮らしへ、ずいぶんと変化しました。今は毎日、安らぎと喜びをかみしめています。これから移住を考える人には、「直感を信じて」と伝えたいです。頭の中であれこれ考えていても、想像するだけでは何もわかりません。やると決めたら行動に移すことで自信もつき、運も縁も向いてくるのではないでしょうか。
