地域子育て支援センター　親子芋掘り・収穫祭

東広島市の中心部に位置し、人口約3万人が暮らす高屋町。かつて城下町や市場町として栄えた白市地区には江戸から大正期に建てられた旧家が建ち並び、歴史を感じさせます。また、近畿大学工学部や中高一貫校の県立広島中学校・高等学校があり、教育機関が充実したまちです。

そんな高屋町で妊婦や子育て家庭をサポートしているのが、「サムエル東広島こどもの園」内にある、“子どもも大人もその人らしく過ごせる”をテーマにした子育て支援センター「マザーグースのへや」です。「すくすくサポート高屋」としても機能しています。

普段は自由開放（平日9:00～12:00、13:00～15:00）され、ママパパと未就園児の遊び場や育児相談の場として活用されていますが、年に数回皆で楽しめるようなイベントも企画。2023年11月25日（土）には、毎年予約が殺到するという「親子芋掘り・収穫祭」が行われました。

地域ボランティア団体の手を借りて収穫祭を開催

「親子芋掘り・収穫祭」は未就学児を持つ家庭を対象にしたイベントで、地元の地域ボランティア団体「土里夢創房（どりーむそうぼう）あぐり」が協力をしています。

同団体の代表である伊達義明（だて よしあき）さんは、「私たちは、お子さんが土や草木など、自然に触れる機会をもっと増やしてほしいと思い立ち上がった団体です。普段は幼稚園、保育園や小学校で行われる農業体験のサポートをしたり、地元のお祭りで収穫した野菜や加工品を販売したりするなどの活動を行っています。こちらの親子芋掘り・収穫祭は約10年ほど続いておりますが、毎回キャンセル待ちが出るほどの人気で、うれしく思っています」と、にっこり。

例年は、同団体が拠点としている小谷地域センターでの開催でしたが、今回はサムエル東広島こどもの園の畑で実施。「遊休地となっている土地があったので土を耕し、苗を植えました。地元の醤油蔵でいただいた搾りかすなどを肥料に使ったので、甘くて大きなサツマイモが育ちましたよ」と伊達さん。

芋掘りとピザ作りを満喫、大満足の一日に

この日の参加者は20組で、10:00～11:15の一部の組と、10:45～12:00の二部の組に分かれて行われました。まずはスコップの使い方や芋掘りのコツなどを、伊達さんから説明。さっそく各々で好きな場所に散らばり、芋掘りを開始します。伊達さんの言葉通り、土を掘ると中からカボチャのようなサイズのサツマイモがゴロゴロ。「こんなに大っきいのが出てきたよ！」「こっちにもあった！」と、皆さん楽しそう。事前に渡された袋一杯にイモを詰めていきます。袋詰めが終わったら手を洗い、園庭に準備されているピザコーナーへ。手作り生地を受け取って作業台に移動し、各々が好きなようにトッピングをしていきます。たっぷり塗ったトマトソースに、ピーマン、タマネギ、トマト、ウインナー、チーズと色鮮やか。完成したら調理場に持って行き、焼き上がるのを待ちます。「3～4分で出来上がるから待っててね」と、スタッフの人たちが笑顔で対応。ドラム缶の薪窯でこんがりと焼き上げたピザは香ばしい匂いを漂わせ、見るからにジューシーです。「わぁ、美味しそう！」と、参加者の親子からうれしそうな声があがります。

「楽しかったし、ありがたい」という参加者の声

この日参加した親子連れに話を伺うと、「芋掘りはもちろん、屋外でピザ作りもできるのがいいなと思い応募しました。家ではどちらも挑戦するのが難しいので、このような機会を作って下さりとてもありがたいです」と話してくれました。

また、昨年も一昨年も参加したという家族は、「毎年楽しみにしているイベントなので、早くからホームページをチェックしていました。体験もできてお土産付きで1家庭200円という驚きの参加費。こんなに盛りだくさんでいいのかなと思うぐらい、充実の内容だと思います。また、東広島市には子育て家庭に寄り添うイベントがたくさんあると感じます。都市部にもイベントはあるのかもしれませんが、参加しやすい規模感のものは、東広島市のほうが多い気がします」と、語ってくれました。

自分たちで掘ったサツマイモと事前に準備されていたふかしイモをお土産にして、最後は参加記念のメダルもプレゼント。小枝や木の実で作ったメダルを見て、子どもたちは大はしゃぎ。「ありがとう！」と元気な声でお礼を言って、にこやかに帰っていきました。

すくすくサポート高屋スタッフの羽田美希子（はだ みきこ）さんは、「乳児期に子育て支援センターに通ってくれていた親子の方に、イベントで再会することがあります。お子さんが成長されている姿を見ると、私たちもとてもうれしくなります。東広島市には12の地域すくすくサポートがありますが、ここ『すくすくサポート高屋』は、応援してくださる地域団体やボランティアの皆さんに支えていただいています。今日のようなイベントも、そういった方たちの支援があってこそ。2月には、自然素材を使った木工教室も開催予定ですので、ぜひこちらも多くのパパママとお子さんにご参加いただければと思います」と話してくれました。

また、地域子育て支援センタースタッフの柳田瞳（やなだ ひとみ）さんは、「普段はセンターでちょっとした相談に乗ったり、私たちが答えることのできない質問をされた時には専門家への橋渡しなどをしています。これからも、子育て中のパパママとお子さんがふらっと気軽に立ち寄れるような場所づくりを行っていきたいです。そして、皆で支え合える、子育てしやすいまちづくりを目指したいです」と語ってくれました。